男バンドマンによるアイドル音楽情報

アラサー男バンドマンがアイドルについて話します。

【嵐】嵐1の問題作「COOL&SOUL」を読み解く。

2006年に発売された嵐6枚目のアルバム「ARASHIC」に収録されている「COOL&SOUL」という曲について話そうと思います。

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この曲には様々な情報が詰め込まれています。

そして、嵐を語る上で最重要曲となっています。

 

そんな曲を様々な視点から紐解いていこうと思います。

 

第2章の幕開け

嵐は、デビューしてからしばらく苦悩の日々でした。

CDの売上はいまいち、様々なことに挑戦しても実を結んでいる気がしない。

ある時は、コンサート期間中にも関わらず、今後どうしていくかについてホテルで朝まで話し合っていたそうです。

そんな悩みながらも目の前の仕事を一生懸命こなしていた第1章を経て、ついに嵐に追い風が吹き始めます。

 

アジアツアー

タイ、台湾、韓国の3カ国を回るアジアツアーの開催が決定しました。

嵐にとって初の海外公演であり、「JET STORM」(プライベートジェット)に乗り込んで1日に3カ国をPRして回ったのは世間を驚かせました。

当時の嵐は日本でそんなに人気があったわけでも無かったので、各国の熱烈な歓迎っぷりは驚いたのと同時にとても誇らしかったです。

「arashi jet storm」の画像検索結果

海外進出を皮切りに、これから始まる第2章の幕開けを宣言したのがこの「COOL&SOUL」です。

 

トップアイドルへの道

このアジアツアーの前に、「COOL&SOUL」が収録されたアルバム「ARASHIC」を引っさげた全国ツアーが行われました。

これはいわば”海外に行ってきます”という日本での挨拶回りです。

さらに、この時点での嵐の人気度を示す役割も果たしています。

2006年8月に行われた最終公演は横浜アリーナでした。

 

このライブで披露された「COOL&SOUL」は、”しばらくお別れだけど、必ずでっかくなって帰ってくるから待ってろよ!”という嵐の決意を示していました。

そして記者会見のような演出は嵐のコンサート史上でも屈指の名シーンです。

「arashi cool soul」の画像検索結果

 

この全国ツアー、そして先述のアジアツアーを成功させた嵐は、 ”ただいま”の意味を込めた日本凱旋公演を行います。

この間に「Love so sweet」などを発表しており、嵐は宣言通りの大飛躍。

凱旋公演は2007年4月で、会場は嵐初の東京ドームでした。

 

ここで披露された「COOL&SOUL」は、以前とは違って既に第2章が始まっています。

”ほら、でっかくなったぞ。待たせたな。”という余裕を感じるパフォーマンスでした。

実際に、歌詞の一部が変更・追加されており、その歌詞は”日本以外にも俺たちの存在を示してきた。もう誰も俺たちに追いつけないぜ。”といった内容になっています。

この追加された部分がすんごくかっこいいのですが、詳しくは「Step and Go」のときにお話しようと思います。

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こうして、これまでの努力が実を結び始めた嵐は着実にステップアップし、

2008年9月にはついに国立競技場での公演を成功させます。

国立競技場といえば、当時は国内でも本当に選ばれた人しか公演ができない場所で、

SMAPDREAMS COME TRUEについで3組目という快挙でした。

このことから、嵐は名実ともにトップアイドルになったと言えるでしょう。

2年前には横浜アリーナクラスだったのに、本当にあっという間に駆け上がりましたね。

この国立公演では、「COOL&SOUL」に代わって「Re(mark)able」という曲が作られました。

この曲についても、時が来たらお話しようと思います。

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アイドルxラップのパイオニア

ここまでは「COOL&SOUL」とともに成長した嵐の年表をご紹介しました。

ここからは、この曲に秘められた本当の意味を紐解いていこうと思います。

 

パイオニア

 この曲で伝えたいメッセージは大きく2つだと思います。

1つは先程も話したように、トップアイドルになるという嵐の決意

そしてもう1つは、”俺たちがパイオニアだ”という誇り

 

パイオニアとは先駆者という意味であり、つまり何か後から追いかけてくるものに対して”いやいや、俺たちが先駆者だから追いつけねぇよ”と唱えているのです。

ではその”後から追いかけてくるもの”とは何でしょう?

ここにこの曲の真意が隠されています。

(※ここからは推測の面も大きくなるので、話半分に聞いてください。)

 

あるグループのデビュー

「COOL&SOUL」が発表された2006年。

ジャニーズからとあるグループがデビューしていました。

 

KAT-TUNです。

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KAT-TUNは、デビュー前から東京ドームでライブができるほど大人気でした。

また、昔の嵐のように尖った楽曲が多く、田中聖の作詞によるラップが収録されることもありました。

そんな田中は、”俺がラップでNo.1だ”といった旨の発言をしたそうです。

 

ここで嵐ファン、もしかしたら嵐本人も”ん?”と思うのです。

 

二番煎じ

一度煎(せん)じたものを使って、もう一度煎じ出した薬または茶。転じて、前のくり返しで新味のないもの。

これが二番煎じの意味です。

 

ジャニーズ、ひいてはアイドルが本格的なラップをするというのは、嵐がデビューした1999年当時はほとんどありませんでした。

そんな未開拓地を開拓したパイオニアの嵐としては、”もうずっと前から俺たちがやってるんだけど?”となるわけです。

 

「COOL&SOUL」の間奏では、”4つ前のアルバムに話は遡るんだけどさぁ”という台詞が収録されています。

これは言い換えると、”4つ前のアルバムからラップをやっている”、”デビュー当初の2ndアルバムからやってるんだよ”いうメッセージになります。

 

嵐はデビュー曲の「A・RA・SHI」からラップをやっていますが、何故2ndアルバムなんでしょう?

これは、櫻井翔本人が作詞を始めたのが2ndアルバムだからです。

間奏の後、”太陽光に被る雲”よりあとの歌詞は、実は2ndアルバムに収録されている「Theme of ARASHI」の歌詞を引用しています。

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これはもうダメ押しのパイオニアアピールです。追いパイオニアです。

 

ですので、この曲の2つ目のテーマを直接的な言葉に変えると、

”お前らがやってることは二番煎じなんだよ。”

という非常に挑発的な内容となっています。

※改めて、話半分でお願いしますね!

 

おわりに

私はどちらかのアンチというわけではないですし、嵐が100%正しい!とも思っていません。

今の嵐なら こんな歌詞は書かないでしょう。

しかし、焦りや苦悩の中で、きっとどうしても譲れないプライドがあったんだと思います。

若かった彼らの決意と誇りを書き殴った素晴らしい曲だと思います。

 

普段は見知らぬ誰かが作詞した曲を歌っている嵐ですが、サクラップは唯一嵐本人から出た言葉です。 

そういった意味でとても価値があるものですし、いつも楽しみにしてしまいます。

 

「COOL&SOUL」以降も解説しがいのあるサクラップがまだまだたくさんあります。

”難しくて歌えない〜”と流してしまうのではなく、じっくり腰を据えて読み解いてみてはいかがでしょうか。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。